SIGMA fp : a camera led by its users ユーザーが主役のfp

2020.01.22

2019年のSIGMA fpの発表・発売は当社の歴史の中でも一つの大きなマイルストーンになったと思う。発売後、多くのお客様にご支持をいただき、高い評価をいただいていることについて、この場を借りて改めて御礼を申し上げたい。

ネットなどでユーザーの方の使用方法を見ていると、まさにfpのコンセプトであるScalable(スケーラブル)のとおり、様々なスタイルで使用されていることが垣間見られる。大小様々なレンズやアクセサリー、場合によってはクラシックレンズなどを装着して心から楽しまれていることを知り、メーカーとしてこれ以上の喜びはないと感じている。

思えば、フルフレームだけどコンパクトで気軽に海外出張に持っていけるカメラが欲しいと思ったことが着想のきっかけだった。私はdp2 Quattroを鞄に忍ばせて出張することが多いが、フルフレームでレンズ交換ができるカメラが一つの選択肢としてどうしても欲しかった。様々なアクセサリーをつけてカメラのスタイルを自由自在に変えることは、映画撮影現場で自由自在にシステムを組み上げるプロフェッショナル・シネマトグラファーたちからヒントを得ていたように思う。

メーカーがお仕着せでシステムを強要する時代は一つの区切りを迎えつつあると言ったら大袈裟だろうか。しかし、音楽もファッションも、ストリートから発生したものがすでに主流になっている。あくまで人間(=ユーザー)が主体で、既存のものを脱構築しながら、自分自身のスタイルをクリエイトしていく。SIGMA fpがそんなフォト・シネマカルチャーの一翼を担えるなら嬉しい。これからfpユーザーコミュニティがこのカメラをどう変えていってくれるのか、今から楽しみにしている。

(文/山木和人 シグマ代表取締役社長)

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