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EVENT REPORT
SIGMAカメラユーザー限定イベント
「fpフェス2020春」
開催レポート

さる2月8日(土)、東京・日比谷のイベントホールで、
2019年10月に発売されたSIGMA fpをさらにお楽しみいただくための、
スペシャルイベント「fpフェス2020春」が開催されました。
SIGMA fpをはじめとするSIGMAデジタルカメラユーザーの皆さんにお集まりいただき、フェスは大盛況。
当日のプログラムと、会場の様子をご紹介します。

text: SEIN編集部 / photo: 先濱 努

2020.03.04

今回ご参加いただいたのは、ご応募の中から抽選でご招待したユーザーの方120名。SIGMA fpをはじめとするSIGMAデジタルカメラのユーザーの方限定でお集まりいただきました。

当日は開場予定時刻前から受付でお待ちになる方もおり、開場とともにホールは活況を呈しました。会場には、写真・映像機材を幅広く扱う銀一株式会社がブースを出展。fpの動画用システムの提案や、写真撮影や映像製作に役立つさまざまなアイテムの展示があり、来場者の皆さんは興味深く見入っていました。

プログラムの開演にあたり、まずSIGMAのCEO山木和人が来場者への御礼を申し上げるとともに、Foveonセンサー搭載ミラーレスカメラの開発の進捗について報告を行いました。
リンク:フルサイズFoveonセンサー搭載カメラの開発状況について
質疑応答の時間では、日頃からSIGMA製品をご愛用いただいている方からの率直なご質問に、時間が許すかぎりお答えさせていただきました。

次に登壇したのは、fpのプロジェクトリーダーを務めたSIGMA商品企画部商品企画課長の畳家久志です。はじめに、fp開発の原点となったのが、山木より示された「Scalable Concept」メモであることを紹介し、実物の画像をスライドで披露しました。

さらに、Foveonセンサーとべイヤーセンサーの特性の違いや、メカニカルシャッター採否の経緯、ボディに配されているヒートシンクの効果など、開発にあたっていかにさまざまな課題に取り組んだか、悲喜こもごもの舞台裏を紹介。世界最小・最軽量の「ポケッタブル・フルフレーム」カメラを誕生させるまでの開発ストーリーに、来場者は熱心に聞き入っていました。

その後の「リクエスト大会」と称したコーナーでは、「こんなレンズが欲しい」「こういう機能はつけられないか」といったユーザーの皆さんの生の声に、SIGMAスタッフ全員、真剣に耳を傾けていました。

第一部の後半は、日頃からfpを愛用しているというUXデザイナー、安藤剛さんのスペシャルトーク。クリエイティブファーム「THE GUILD」共同創業者であり、登山プラットフォームサービス「YAMAP」のCXO(最高体験責任者)も務める安藤さんは、これまで多数のカメラを使用してきた経験から、なぜ今fpを愛用しているのか、fpのデザインの魅力とは何かなど、興味深いご意見と見解をていねいに語ってくださいました。

fpは「カメラと人との繋がりを変える」、さらには「人と世界の繋がりを変える」可能性を持ったカメラだという言葉は、ご来場の皆さんはもちろん、SIGMAスタッフにも強い印象を残しました。

第二部までの休憩時間で賑わったのは、fpのタッチ&トライコーナー。ご持参のfpに各種レンズを装着して試していただくことができ、お使いになったことのないレンズを手に、皆さん少し興奮気味。スタッフとのやりとりにも熱が入り、「fpに適した小さくて軽いレンズを早く出してほしいな」といったご要望も聞かれました。

第二部は今回のイベントのメインプログラム、山中 有さん監督・脚本作品『しんしん』の特別先行上映とクロストークです。
『しんしん』は、『SIGMA Aizu, Japan』『blur』など、SIGMAのムービーを手がけてきた映像作家、山中 有さんが全編fpで撮影した短編映画であり、今回のイベントが初の上映機会となりました。場内の期待が高まるなか、いよいよ上映がスタート。

世間から少し外れた不器用な父と子の生活、少年の繊細な心の動き、現代社会の暗部などが、抑制された動きとフィルム映画のような美しいトーンによって描き出され、約35分の上映後は満場の拍手が送られました。
残念ながら山中有監督は体調不良で当日の来場がかないませんでしたが、代理としてチーフプロデューサーの勝俣円さんが山木とのクロストークにご登壇。
「この映画は多くの日本人に向けて『頑張るんだぞ』『生き抜くんだぞ』とエールを送るつもりでつくりました」
と山中監督のメッセージを代読してくださいました。

また、山中監督は、
「fpの画質には驚きの一言です。とても、とても、とても、とてもびっくりしました。フルサイズセンサーの情報をほぼ圧縮せずにCinemaDNGに落とし込んでいく。言ってみれば、ストレート果汁と濃縮還元果汁の違いでしょうか。いずれにせよ、劇場公開に耐えられる超高画質です」
とコメント。さらにシネレンズについて、
「このキレを担保しつつ、この明るさとサイズ、素晴らしいの一言です。とくにfpと組み合わせると、高いクオリティの超軽量撮影カメラになります。これにより今回は、Roninという機材に載せることができました。もしこれ以上重い場合には、さらに大きな特機を使わなければなりません。そのためには現場でさらに時間を要することになり、撮影時間を圧迫していたことでしょう」
と機動力の高さを強調されていました。

クロストーク後には撮影の様子をまとめたメイキング映像(ビハインド・ザ・シーン)も上映。さらに、『しんしん』で撮影監督を務められた写真家の澁谷征司さんも駆けつけてくださいました。『しんしん』は国際映画祭の出品を検討中のため当面WEB公開の予定はなく、SIGMAのイベント会場などで随時上映していくことになります。

こうして「fpフェス2020春」は大盛況のうちに閉幕。ユーザーの皆さんとSIGMAを繋ぐ、貴重なコミュニケーションの場となりました。SIGMAでは、今後もこうした機会をもうけ、SIGMAの機材を実際に使ってくださっている方々のご意見やご要望をお聞きしたいと考えています。ご来場くださった皆さん、ありがとうございました!

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