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EVENT REPORT
KG+ Award 2018ファイナリスト展
Presented by SIGMA

2018年、SIGMAが協賛したKYOTOGRAPHIEサテライトイベント 「KG+2018」。
そのイベントのひとつとして開かれたコンペティション「KG+ Award 2018」では
5名の写真家がファイナリストに選出され、副賞として東京都内での展示機会を授与されました。
個展として催されたグランプリ展に続き、4名の作家によるグループ展として
2019年1月31日から2月11日まで開催された「KG+ Award 2018ファイナリスト展」。
個性豊かな作品をご紹介するとともに、会場やレセプションの様子をお伝えします。

text:SEIN編集部 photo:Yuki Nakazawa

2019.03.06

KG+ Award 2018ファイナリスト展

2018年春にSIGMAがメインスポンサーとして協賛・参加したKYOTOGRAPHIEサテライトイベント「KG+ 2018」。そのスポンサーシップの一環として、コンペティション「KG+ Award 2018」のグランプリおよびファイナリストの計5名の写真家へ、都内での展示機会を授与しました。
ファイナリスト展となる本展示では、グランプリ*を除く4名のファイナリストの作品を、東京・恵比寿のAmerica-Bashi Galleryにて公開しました。

*KG+ Award 2018 グランプリ展のイベントレポートはこちら

杉山 有希子「CRASH」

濃密な森林に覆われたクラシックカー、渇いた砂漠に佇む爆破処理された爆撃機、船体を海中に横たえ徐々に朽ち果てゆく廃船。それらは環境に侵食され、同化する。杉山有希子は京都、ロサンゼルス、NYを旅する中で、役割を終え、環境の循環の中へと身を委ねていく機械と対峙し、作品を制作する。まるで空想科学小説のような光景を赤外線やドローンを駆使して撮影し、それぞれの物語の要素を記録する。本展では、人と機械の相互依存的関係性とそれらが終焉へと向かう無情な進行を探求する。

木内 雅貴「Tangent」

木内雅貴は、自身の故郷でかつて暮らしていた古代人が見た風景を表現しようと試みる。木内は川や海、山や丘陵を撮影し、そのイメージに存在する人工物や農耕地を消去する。そして農耕文明以前と現在の風景を交錯させる。本展では、観賞者の「現在」と「過去」、「文明」と「自然」の境界線に対する意識を喚起し、その関係性を問いかける。

賀来 庭辰「Choreography by Choreography」

連続した写真としての映像、映像から切り取られた写真。本作では、スクリーンの中で映像から写真、写真から映像へと移り変わる時に起こる振付の変容を提示し、映像と写真の境域にある時間感覚や視覚的違和感を探求する。メディアと作家により新たに振り付けられたダンスは、生の身体表現とは解離した固有の妖艶さを纏う。

ニコラ・オヴレー「Lisa + Attractions Nocturnes」

物寂しい建物とベンチ。ランジェリー姿の女性は通りの向こう側にいる彼の方を向いて座っていた。本作「Lisa」は、作家と一人の女性との巡り会いから生まれた一夜の結実である。ニコラ・オヴレーは、夢幻的な現実世界にある非日常性を捉え、光と現実世界にある要素を舞台装置として用い、演劇的な存在感と強い物語性を作り出す。オヴレーにとって、夜はある一定の時刻ではなく、我々の現実認識の変容の中にある根源的に奇妙な空間なのである。本展では「Attractions Nocturnes」が、この夜の体験を補完する。


レセプション・ギャラリートーク

2月2日にはレセプション・ギャラリートークを開催。
会場には多くの来場者や写真関係者が駆けつけ、作家との貴重な交流の場となりました。

SIGMAはKG+2019に協賛します

SIGMAは2018年に続き、「KG+2019」にメインスポンサーとして協賛します。
今年もスポンサーとしての協力に加え「SIGMA Satellite Gallery in Kyoto 2019 | 伊丹豪 特別展 with FOVEON」と題し、SIMGA主催の写真展イベントとしても参加予定です。写真展の詳細情報は追って発信していきます。
写真一色に染まる春の京都に、是非一度足をお運びください。

SIGMA Satellite Gallery in Kyoto 2019 | 伊丹豪 特別展 with FOVEON

会期|2019年4月12日(金)-5月12日(日) 11:00-18:00(最終日17:00まで)
閉館日|4月15日(月)、4月22日(月)、5月7日(火)
会場|JARFO 京・文博(〒604-8183 京都府京都市中京区東片町623-1京都府京都文化博物館別館)

|KG+とは

KG+は、これから活躍が゙期待される写真家やキュレーターの発掘と支援を目的に、2013年よりスタートした公募型アートフェスティバルです。2019年に7回目を迎え、この度プログラムを一新します。
京都から新たな才能を世界に送り出すことを目指し、意欲ある参加者を広く募集して展覧会を開催いたします。
また、KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭との連携・同時開催を通して、KG+参加アーティストに、国際的に活躍する写真家やアーティスト、国内外のキュレーターやギャラリストとの出会いの場と情報発信の機会を提供いたします。さらに、参加型のプログラムを実施し、来場者や市民が写真芸術文化に親しむ環境をつくります。元京都市立淳風小学校を始め、市内各所で展開される多様な表現が地域と訪れる人々をつなげ、新たな発見や交流がうまれることを期待します。
(KG+公式サイトより)
http://www.kyotographie.jp/kgplus/

会期|2019年4月12日(金)-5月12日(日)
会場|元・淳風小学校(〒600-8357 京都府京都市下京区大宮花屋町上柿本609-1)、他京都市内各所

杉山 有希子

1985年京都生まれ、京都とロサンゼルスを拠点に活動

木内 雅貴

1971年静岡生まれ、静岡を拠点に活動

賀来 庭辰

1990年東京生まれ、東京を拠点に活動

ニコラ・オヴレー

1975年フランス、パリ生まれ、ニューヨークを拠点に活動

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