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「強く望まれながら、まだ存在しないもの」を創る

誰もが欲し、まだこの世に存在せず、創意工夫の余地がある。
既成概念を打ち破るSIGMAの新しい製品やカテゴリはいつも、
「自分たちだからこそできるはず」 という強い思いから生まれます。

写真:レンズメーカーとしては初めて開発・リリースしたAPS-Cサイズ30mm F1.4(換算50mm相当)の大口径単焦点標準レンズ「SIGMA 30mm F1.4 EX DC HSM」。

最近のSIGMAレンズの代名詞というと、20 mm/24mm/35mm/50mmなど、Artラインのフルサイズ用単焦点レンズ「F1.4シリーズ」を想起する方も多いと思います。このArtラインには、やや控えめながら確かな人気を誇る、APS-Cサイズ用の30mm F1.4 DC HSM | Artという大口径単焦点標準レンズもラインアップされています。

このレンズは2005年に誕生し、人気を博したSIGMA 30mm F1.4 EX DC HSM の後継機にあたります。35mm換算で50mm付近の焦点距離、F値1.4。明るいのにコンパクト。しかもリーズナブルな価格という、APS-Cセンサーサイズならではの魅力を兼ね備えたハイスペックな「標準レンズ」は、大口径レンズの入門編的存在として写真愛好家からの根強い支持をいただいていますが、このスペックでも製品化したのは、実はシグマが初めてでした。

一般的に、複数のフォーマットでレンズ生産をしているメーカーの場合、フルサイズ用の50mm F1.4は当然のごとく存在していますが、APS-C専用で50mm相当の画角でF1.4のレンズはラインアップに存在しません。そのため、APS-Cフォーマットで50mm F1.4相当のレンズを使用したいユーザーは、フルサイズ用の35mm F1.4などの大きく高額な製品を選ぶか、35mm F2クラスの一絞り暗いレンズを代替使用せざるを得ませんでした。

しかしSIGMAは、こう考えました。APS-Cかフルサイズかにかかわらず、熱心な写真愛好家からの要望があるなら、愛用者の多いそれぞれのセンサーフォーマットに最適化したハイスペックなレンズを、開発し、喜んでいただきたい。リーズナブルな価格帯で製品化するために、持てる光学技術と製造ノウハウを全投入して実現しよう。強く望まれながらも、まだ世の中に存在しておらず、技術的にもコスト面でも課題が多いからこそ、自分たちが挑む価値があるはずだ、と。そして試行錯誤を重ねながら、高い内製率、豊富なノウハウを駆使し、弾力的な生産体制を組んで実現させたのがSIGMA 30mm F1.4 EX DC HSMだったのです。

このレンズには、「まだこの世の中にないものへの待望」を汲みとり、そこに創意工夫を掛け合わせ、少しでも実現可能性があるなら果敢に挑んでみる、というSIGMAのチャレンジスピリットと、「always respect every single user」という信念とが凝縮しているのです。

「SIGMA 30mm F1.4 DC HSM | Art」は、SIGMA 30 mm F1.4 EX DC HSMの後継機種として、SIGMA GLOBAL VISIONから2013年にリリース。根強い人気を誇る。
SIGMA 30mm F1.4 EX DC HSM発売当時の広告。

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