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根拠ある直観が可能性の扉を開く

そこに“根拠ある直観"があるならば、
たとえ未知のものでも、たゆまず挑み続けるシグマ。
超広角ズームというカテゴリーも、
そんなシグマの挑戦から生まれました。

写真:1979年に発売したズーム・ガンマ 21-35mm F3.5-4(MF)。

2013年4月。シグマがArtラインから発表した18-35mm F1.8 DC HSMは、たちまち各国で話題になりました。世界で初めて全域で開放F値1.8を実現したこのAPS-Cサイズデジタル一眼レフ専用大口径標準ズームレンズは、高性能単焦点レンズとまったく遜色のない光学性能をどの焦点域でも発揮。「これ1本で、まるで単焦点をいくつも持ち歩いているようだ」とさえ評され、ズームの常識を覆す1本となりました。

この原点にあるのが、シグマが1979年に発売したズーム・ガンマ 21-35mm F3.5-4です。光学性能と携行性の両立を求める山岳写真家の声から生まれ、それまで市場に存在しなかった「超広角ズーム」というカテゴリーを切り拓きました。これを皮切りに、18-35mm、17-35mmと広角側を少しずつ広げ、フルサイズ用では世界初の広角12mmを実現。さらに、APS-C用としては最も画角の広い8-16mm F4.5-5.6 DC HSMへとイメージサークルを変更してきました。
「超広角レンズの場合に問題となりやすい周辺光量や周辺性能の低下を改善する方法を大口径に応用すれば、ズームレンズであっても、光学性能と適切なボディバランスを両立させることができるはずだ」。その確信のもと、30年以上にわたる広角ズームレンズ開発で培った経験を全投入して改良と開発が重ねられ、ついにSIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM︱Artの開発へとこぎ着けました。

光学性能と形状は常にトレードオフの関係にあり、すべての要求を同時に解決できる「魔法」は存在しません。しかし、シグマの強みは物理的制約と無数の経験則に照らしてなお、設計から製造まで一貫して、実現の可能性を見出したなら、諦めずに挑戦し、確実に突破口を探りあてる果敢さと粘りにあります。
すべての革新の水面下に、圧倒的な質・量の経験と情熱がある。SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM︱Artは、シグマの気風の足跡そのものでもあるのです。

ズーム・ガンマ 21-35mm F3.5-4(MF)を開発した頃のシグマ(東京・狛江)。
レンズ設計におけるコンピューター・シミュレーション。
8-16mm F4.5-5.6 DC HSMはAPS-C用としては最も画角の広いレンズとなった。
2013年発売のSIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art。

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