会津工場をめぐるストーリー

EPISODE 2

会津工場 金属加工部長佐瀬 直孝

Naotaka Saze

photo: Kitchen Minoru
Winter/2017

実は私、会津工場の500メートル上に住んでいたことがあるんですよ。そこから通勤していたという、生まれながらの地元民。入社の動機も、地元の企業だし、父親も一時期シグマに働いていた縁もあるし、とそれだけでした。 入社後から今まで、ずっと金属加工部です。とはいえ、自分自身に本当の意味でスイッチが入ったのは2005年頃かな。ある時、当時シグマには1台もなかった複合加工機が導入されたんです。ところが、初めての機械なのでひたすら独学で操作を覚えるしかない。そのあたりから、わくわくするモノづくりというか、自力で仕事を切り開く喜びを感じるようになりました。覚えれば覚えるほど楽しくて、1年の大半は会社に出ていたんじゃないかな。今なら大問題ですね(笑)。

毎日の小さな努力を重ねて
磐梯町から世界一を

何しろ会津人は頑固。私も結構負けず嫌いなので、同業他社の製品と比べて精度では絶対に負けたくない。とはいえ、今は現場の作業は若手に任せて、あぁしろこうしろと細かく指示はしません。自分が若い頃にイヤだったことは人にもしたくないんですよ。もちろん、アドバイスも微調整もしますが、基本的な部分は口を出さない。あまり利益につながらないかもしれないけど(笑)、後々その経験が彼らの励みになればいい、と。 私たちの目標は、磐梯町から世界一のクオリティをつくり出すこと。でも、あまり先を見ず、どんなに小さいことでも、何か一つ、毎日コツコツやっていけばいい。後戻りせず、上を向いて日々努力していれば、少しずつでも間違いなく目標に近づいていくと思っています。モノづくりって本当に奥が深いんですよ。たとえるなら100メートル走みたいなもので、あるところからは、ほんの少しずつしか記録(精度)が向上しない。だから面白いんです。 あ、もちろん今は休日返上出勤なんてしませんよ。夏場の休日は少年ソフトボールの監督、冬場は裏磐梯でワカサギ釣り。課長さんたち、週末はお任せしちゃってごめんなさい。2017年はもうちょっと仕事のほうを頑張ります(笑)。

佐瀬 直孝

会津工場 金属加工部長

1973年、福島県耶麻郡磐梯町生まれ。1992年入社、金属加工部に配属となる。以来、旋盤、マシニング等の工程管理を経て、2014年より現職。

週末は少年ソフトボールの指導で汗を流す。

Episode in Aizu

金属加工のことなら何でも佐瀬に聞け、というほどのベテランですね。シネレンズの生産チームも彼が指名した若手たちですし、活発な議論のため六角形の形にデスクを置くなど、後進を育てる意欲も旺盛です。現在は金属加工の他にアルマイトやメッキ、新工場の立ち上げも担当していますので、ますます頼りにしています。
(渡部幸四郎 会津工場総務部長)

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