会津工場をめぐるストーリー

EPISODE 7

塑性加工部印刷課第1係係長牧野 克彦

Katsuhiko Makino

photo: Kitchen Minoru
2019.01.09

中途採用で入社して今年でちょうど20年。その前の勤務先は千葉にある鉄工所だったのですが、元々会津の生まれですし、いずれはこちらに戻って仕事したいなという考えもあってSIGMAに入社しました。当時はどの会社もあまり社員を採らない時代でしたので、採用人数ギリギリだったと思います(笑)。

入社してからはずっと印刷一筋です。印刷課は作業特性上、適性が問われますが、私はお陰様で問題なく仕事をさせてもらっています。新しい工場に移り、以前より明るく作業しやすい環境になりましたね。

業務では主にスクリーン印刷とパッド印刷の機械を扱っています。機械が新調されたとしても必要とされる技術が大きく変わることはないですし、作業自体もそこまで難しいものではありませんが、一つのパーツに対して刷る工程がいくつもあるため、その段取りや工程を覚えるのに苦労しました。レンズの種類だけでも50〜60種類。パーツも300個以上あるわけですからね。ずっと同じものを印刷していれば苦労も少ないと思いますが、何度も段取り替えが必要な日は、やっぱり大変です。

パーツづくりの最終工程
細部までこだわった印刷を

ある程度、仕事をこなすと微妙な力加減にも慣れてくるものですが、どうしても微妙なズレやインク量の調整でミスが生じることも。インクを拭き取ると、塗装も一緒に剥がれ落ちてしまいますし、何度も塗り直すことができたとしても、塗装の厚みも変わり、当然その後の組み立てにも支障が出るんです。パーツづくりの最終工程を担っているという責任は常に感じています。

印刷がスムーズに進んだとしても、インクの色や位置を間違えてしまっては使い物になりません。組み立てた時に“バシッ”とハマるよう、細部まで気を配る必要があるんです。ここ数年でレンズやボディのデザインがシンプルなものになって、色数も少なくなりましたから、私たちにとっては少しだけ楽になったかな(笑)。ただ、塗装にもツヤがあって印刷しにくいものもありますし、レザー調のものにある凹凸は段差があるところで字を書くようなものですから、やはり難しい。一つ一つ、丁寧に状態を目で見ることが大切だと思います。

20年ともなると、同じ課には自分の息子の年齢と同じぐらい年月を共に過ごしてきた人たちも多いんですよ。和気あいあいとした家族のような仲間たちに囲まれながら、これからも細部にまでこだわった「ものづくり」に励んでいきたいですね。

牧野 克彦

塑性加工部印刷課第1係係長

1973年福島県会津若松市生まれ、1998年入社。「週末は息子のサッカー観戦が常でしたが、卒業したため今はもっぱらマラソン。寂しさを紛らわす意味でも走っています(笑)」

手作業で印刷される「MADE IN JAPAN」の文字。さまざまな工程を経て完成したパーツを組み立て作業に繋げる。

Episode in Aizu

シグマに入社してから印刷一筋20年、常に印刷課のことを考え業務に取り組んでいます。一昨年には印刷機の半自動化に成功し、生産性、品質向上に貢献しました。また、最近では人材育成にも力を入れ、段取り、罫書き良否判断の教育を毎日のように行っています。一人でも多く、一日でも早く、後継者が育つことを今から楽しみにしています。(塑性加工部長 白井広志)

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